自己都合による退職手続き【健康保険編】

会社手続き

転職・独立・結婚など自己都合により会社を辞める場合は、「健康保険被保険者証」を会社に返却しなければなりません。早めに健康保険の変更手続きをして、もしものときに給付や手当がもらえるようにしておきましょう!

五つ中から選ぶ、賢く入る退職後の健康保険

退職後の健康保険の種類は5種類あり、条件に応じて次の5つから自分で選びます。【1】「任意継続被保険者」として現在の健康保険を引き継ぐ【2】「一般被保険者」として国民健康保険に加入する【3】「家族の被扶養者」となる【4】「退職者医療被保険者」として国民健康保険の「退職者医療制度」に加入する【5】健康保険の「特例退職者医療制度」に加入する。

① 在職中の保険を継続する「任意継続被保険者」

1.加入条件

・退職日前日までに、連続して2ヶ月以上の健康保険に加入していることが必要です。

2.加入期間

・任意継続被保険者の期間は、最長2年間です。

3.保険料

・在職中は、給与天引きの保険料に会社の負担がありますが、任意継続制度は全額自己負担になります。
・現在加入している健康保険制度の全加入者の標準報酬月額の平均と、自分の退職時の標準報酬月額を比べ低いほうが保険料となり、全額自己負担になります。
・加入期間中は、上記の保険料で変わりません。

4.手続きの期限と手続き先

・退職日の翌日から20日以内に手続きをします。
・社会保険事務所か健康保険組合に「任意継続被保険者資格取得申請」を提出します。

5.その他

・様々な手当や付加給付、保険者独自の福利厚生制度など、在職中と条件は変わりません。

②市区町村役場で手続きする「国民健康保険」

1.加入条件

・特にありません。

2.加入期間

・制限ありません。

3.保険料

・①所得割額(前年1年間の所得に対応) ②平等割額(1世帯当たりの定額) ③均等割額(家族の加入者により対応) ④資産割額(世帯の資産に対応)の組み合わせにより保険料が決定します。

4.手続きの期限と手続き先

・退職日の翌日から14日以内に手続きをします。
・自分が住んでいる市区町村役場の国民健康保険の係に「国民健康保険被保険者資格届」を提出します。

5.その他

・手続き時に、健康保険資格喪失届のコピーか健康保険脱退証明書(退職証明書)が添付書類として必要になります。

③親族の「被扶養者」になる

1.加入条件

・被保険者によって生計が維持され、3親等以内であること。
・被保険者と同一世帯にいるときは、扶養に入る人の年間収入が130万円未満であること。
・別居の場合は年間収入が130万円未満で、仕送り額が年間収入より少ないこと。

2.加入期間

・被保険者が保険に加入している限り、制限ありません。

3.保険料

・必要ありません。

4.手続きの期限と手続き先

・退職日してから5日以内に手続きをします。
・被保険者の事業主を通して、健康保険運営者(保険者)に手続きします。

5.その他

・健康保険運営者よって添付書類は異なります。扶養に入る先の健康保険担当者にご相談ください。

④医療費以外の給付

1.傷病手当金

(1)支給要件
・私傷病で療養中である。
・労務不能である。
・連続して3日以上休んでいる。
・休職中、給料がない。
(2)支給額
・標準報酬日額の6割相当額が支給。
・最大1年半支給される。
(3)その他
・申請は、1月単位で行う。

2.出産育児一時金

(1)支給要件
・出産したとき。
・妊娠85日以上のとき、死産、流産も対象になる。
(2)支給額
・1児につき一律30万円。
(3)その他
・在職中1年以上健康保険に加入及び6ヶ月以内に出産育児一時金の支給対象となった場合、退職後でも支給される。

3.出産手当金

(1)支給要件
・妊娠85日以上で、出産のため休養し給料が支給されていないとき。
・支給対象期間は、出産日以前であれば42日(双子は98日)、出産後56日となる。その内、休養した日数分が支給される。
(2)支給額
・標準報酬日額の6割相当額が支給。
(3)その他
・在職中健康保険に1年以上加入及び退職後6ヶ月以内に出産すれば、退職後でも支給される。

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